乳がんの妻と夫の和解 その1

今日は思い出した古い話をします。
もう20年も前で、私が指導していた院生が持ってきた話でした。
彼女は、乳がんで治療した女性が夫婦でその後をどう乗り越えているのかに興味をもち、研究していました。
いろいろインタビューをしている中で、彼女が時々困った顔をして相談に来るのです。
乳がんの術後に夫婦で一緒に乗り越えた話を聞いてきたときは嬉しそうにまとめているのですが、
そうではなかったときは、私の研究室にやってきて「こういうご夫婦には私たちはどうしたらいいんでしょうか?」と聞いてきます。

”こうゆうご夫婦”とは、乳がんの治療後に夫婦関係が希薄になったり、離婚をしてしまった場合です。
彼女の頭の中には、夫婦で病気を乗り切るモノといった、思い込みというか、そうあるべきと信じる姿がありました。
そう信じるのは勝手ですが、実際には夫婦が直面する課題は多様で繊細であることがおおいので、一概には言えないことがあります。

例えば、乳房切断術を受けた女性の胸は、片側だけ乳房がなくなり、
傷跡が浮き出た肋骨の上にはっていて、初めて見ると驚くことも多いのです。
(近年では術後に形成外科と組み合わせて、人工乳房を作り外観に影響が少ないような治療も進んでいますが)

そのような術後の外観が、女性の心に大きく影響することがあります。
「私をみないで」
「触らないでそっとしておいてほしい」
そう感じる女性もいました。
そのような反応を受けて、男性としてどう接していいのか戸惑い、
関係が疎遠になっていくケースがありました。
反対に、男性が妻の胸元を始めて見たとき、
「無理!」
「ダメだ」
と感じて、それ以上見れなくなり、触れることをためらわれるケースもあります。
今では、そのような拒否反応を起こさないように、術後の創を夫が初めて対面する際の医療者のサポートなどもしていたりしますが・・・まだそのようなことが普及していない時期だったかと思います。

そして実際、女性のがんになった方々が離婚するケースはとても多いのです。
院生はそのようなお話を聞くたびに、胸を痛めて「どうすればいいんだろう」とつぶやいていました。

”夫が悪い”という単純な話ではないですからね。
実際、妻の手術の後、浮気に走る男性もおり、ある意味悪いのですが、
何故、浮気をしようとしたのかは、いろいろな事情があるのでしょうから。

その院生が私に持ってきた話の一つに、「インタビューを受けてくれた女性の悩みを一緒に来てほしい」がありました。
本来はインタビューをするときは、不介入が原則なのですが、
その院生の熱血というか、何とかしたいと思いから、私も相談を受けることとなったのです。

この続きは次回にでも!

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未来を健康からデザインする
高槻リトリート研究所

植物の力を借りながら、心身を整え不調を癒していく。
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そんなマインドセットとケアをしています。

ブログ記事元:https://note.com/joyful_toucan428/n/n56f19ae9e805

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